女性向けのガーリーデザインが難しい……

from 甲斐陽信

どうも、デザイナーの甲斐陽信です。

広告というものは
お客さまに行動を起こしてもらうために打つものですよね。

多くは、商品を買ってもらうためのもの。

セールスライターのあなたは
「誰に」買ってもらうかを強く意識することが大事
ということを、きっと理解されていることと思います。

その「誰か」が、女性だったこと
ありませんか?

実は世の中にある商品の大部分、
きっとあなたが想像するよりも遥かに上回る割合の商品が
「女性向け」に作られています。

女性を無視しては買い物も広告も語れない

基本的に、男性よりも女性の方が買い物が好きですよね。

お店に入ったら一直線に目的の商品へ直行する男性と違い

女性は買い物のついでに買うつもりのないものまで品定めして
「運命的」としか思えない商品に偶然出会い、衝動買いをした上で
その運命の出会いに満足して、目的の商品を買い忘れたまま家に帰る生き物です。

男性の皆様、信じられませんか?
でも女性の皆様、心当たりはありませんか?

デパートに行けば、商品の大部分が女性向けの商品であることに気がつくでしょう。
ショッピングモールのフロアガイドを見れば

1F メンズ・レディス・スポーツ・アウトドア
2F レディス・雑貨
3F レディス・コスメ
4F レディス・ジュエリー
5F レディス・古着・インテリア
6F レディス・キッズ
7F カフェ・レストラン

という感じじゃありませんか。
メンズの扱いが哀れにすら思えてきます。

さらに、日本の家庭では
家計を女性が預かる場合が依然として多いです。
買い物のイニシアチブを奥様が握ってらっしゃる家庭
多いのではありませんか?

デザインも女性を意識せずに作ることは難しい。しかし……

普通の商品の普通の広告は、
男性も女性も受け入れられやすいデザインにしておいて問題ありません。
そういうデザインでも、女性は受け入れてくれます。

しかし、
女性だけ対象に作った商品の
女性だけをターゲットにした
いわゆる「ガーリーなデザイン」は
普通の広告よりもかなりハードルの高いものになります。

というのも
そういう商品は、ただ綺麗に作っただけでは目を向けてくれなくなっちゃいます。
さらには「どの女性に向けたものか」によってデザインコンセプトが全く変わるのです。

  • ターゲットの年齢層は若いのか、高いのか
  • 【可愛い】のか【美しい】のか
  • 【可愛い】として、キュートなのかスイートなのか
  • 【美しい】として、エレガントなのかセクシーなのか

細分化すればキリがありません。
それは女性向けファッション雑誌の多様さを見ても明らかです。

更に女性は男性よりもより繊細な美意識と色彩感覚を持っていて
細かな模様や装飾が大事な要素となってきます。
手を抜くとすぐに見抜かれてしまうのです。

男である私からすれば「無駄」だと思える装飾も
「可愛いならOK」どころか無ければ素っ気なく感じられてしまって読み飛ばすことは当り前です。

見ていただく方が早いですね

女性向けのデザインについて語り始めるとキリがないので、
見てもらった方が早いですね。
以下、架空の商品を売るLPのファーストビューという設定です。

ケース1

・20代〜30代向け
・カジュアルな雰囲気
・ポップ系

比較的若い層向けのポップなデザインです。
女性は見たい情報から見るので、目線の誘導は最低限で
レイアウトもフリーレイアウト気味です。
写真も粗めに切り抜いて賑やかな印象にしています。

ケース2

・10代・20代向け
・ナチュラルな雰囲気
・キュート系

かなり散らかった印象の紙面ですが、この「散らかり感」も必要な要素です。
学生の頃に交換日記をしたり
プリクラ帳を持っていたり
女性はアナログで手作りのものが好きだったりします。
なのでイメージとしては「スクラップブックに書き込んでる感じ」です。

ケース3

・30代〜40代向け
・洗練されたオシャレな雰囲気
・エレガント系

余白と写真を贅沢にレイアウトして
情報は控え目にするエレガント系のデザイン。
これに限ったことではありませんが、
多少の読みづらさよりも、オシャレな方が大事です。

一筋縄ではいかない面白さ

私も「プロのデザイナー」とか何とかのたまって
偉そうに解説なんてしちゃってますが、
これだって正解かどうかは分かりません。
答えは市場にしか、世の中の女性の中にしかないのです。

正直に言うと、
女性誌の編集部でしっかりとデザインできるほどの自信は
私にはありません。

誤解を恐れずに言えば、ガーリーデザインはかなり面倒くさいです。
でもこうしたハードルの高さ
デザインをもっと深く・面白くしてくれているのも事実です。

冒頭に申し上げたように
買い物や広告を語る上で、女性はどうしても無視できません。

広告を作った時にはぜひ周りの女性に
「この広告、どう思う?」と意見を求めてみてください。
きっと感覚的で難解な、面白いフィードバックが返ってくると思います。