2019/07/03

極上な【脅迫状】が教えてくれたこと

From:植田祐司

あなたが最近手に入れた、「これは一生モノだ!」と思うような逸品はなんですか?

僕が最近手に入れた逸品は、手間ひまかけて丁寧に作られた脅迫状のような手紙でした。

表紙には僕の名前が書いてあり、その名前を塗りつぶすようにインクを溢したような形跡があります。

裏面には、「せぇぜぇがんばれよ」という心温まる励ましのメッセージ。

 

今日は、僕が最近経験した、手の込んだ脅迫状まがいの手紙を受け取ったエピソードをもとに、
商品やサービスを作る工程を語ることの重要性についてお話しをてみていと思います。

 

僕がその手紙を受け取ったのは、6月半ばのよく晴れた日曜日。
辺りも薄暗くなり始めた夕暮れ時でした。

 

その日僕は、4歳と6歳になる子どもたちを連れて地元の公園に出かけていました。

公園と言っても、芝生や池や小川があるだけの自然公園。

はじめのうちは、はしゃいで走り回っていた子どもたちも、30分と経たないうちに飽きてきて「家に帰る!」と言い出しました。

しかし、家に帰ってもやるとこと言えば、タブレットでアニメを見るか、ゲームをするか。

親としては、せめて自分が子守りしていられるときくらいは、家の中ではできないことを経験してほしいものです。

何か子どもたちが興味を持ってくれるようなものはないかと付近を散策していると、公園の近くに歴史博物館があるのを思い出しました。

歴史博物館に行って見ると、表の立て看板に「ありがとうのカードを作ろう! ~父の日編~」と書かれていました。

それを見て、「そういえば今日が父の日だったな」と思い出し、子どもたちに「これ作ってみるか?」と聞いてみました。

すると、僕の予想に反し、「うん!やってみたい!」と二人とも好反応を示してくれました。

しかも、参加費は激安の100円!

こりゃ、やるしかない!と思い、早速イベントに参加することにしました。

イベント会場に入ると、長机の上に、カラフルなマジックペンや、動物の絵柄のスタンプ、折り紙、毛糸、洒落たマスキングテープなど、父の日のカードを装飾するための工作素材が所狭しと並べてありました。

それを目にした子どもたちは、一気にテンションMAXに。

あれもやってみたい!これもやってみたい!と次から次に違うものを手に取ります。

カラフルなマジックでグリグリと絵を書き、
スタンプをポンポンと押しまくり、
切り口がギザギザになる珍しいハサミでジャキジャキと色紙を刻み、
ハートや星の型で折り紙を型抜き、
それらを台紙にノリでペタペタと貼り付けます。

子どもたちは喋ることも忘れ、一心不乱に作業に熱中し、気がつけがあっという間に2時間以上経過していました。

完成した父の日のカードを子どもたちから受け取り、僕も大感激。

「そういえば今まで子どもたちから、父の日のプレゼントなんてもらったことがなかったなあ。」

たかがメッセージカードですが、嬉しさと感動は想像を絶し、感慨深いものがありました。

これまでも、毎日のように子どもたちが保育園で作ってきた謎の工作物はたくさん目にしてきました。

・お菓子の箱をテープで貼り付けて作られたロボット。
・トイレットペーパーの芯で作られたピストル。
・お雛様の形をした箱を、そのままただ持って帰ってきただけの小物入れ。

などなど・・・

しかしそれらはすべて、完成した状態を目にしてきました。

ですが、今回の父の日カードは、白紙の状態から完成に至るまで、親子一緒になって作りました。

書いてある絵や文字、貼ってある型抜きした色紙、マスキングテープ、それらがなぜ曲がって配置されているのか?

溢れたインク、それが広がった汚れなど、ひとつひとつのパーツが、どういう経緯でそうなったのか?

それら制作の過程を目の前で目撃し、白紙から完成に至るまでのドラマを知っています。

なので、すべての構成要素一つ一つが愛おしく思えます。

完成したとき、カード作りを指導してくれた歴史博物館の職員さんと、「まるで脅迫状みたいだな・・・」と苦笑いしてしまいましたけど。

子供たちから脅迫状を受け取って気がついたこと

今回、子どもたちと一緒に父の日カードを作ったことで気がついたこと。

それは、何かが完成するまでのストーリーを丁寧に語れば、そのモノに感じる価値や、手に入れたあとの満足感が一気に高まる。ということでした。

世の中に溢れている商品、たとえばスーパーに並んでいる野菜ひとつでも、

ただ値段だけ書いてあるキュウリと、

「〇〇県の〇〇さんが、こんな思いでこんな苦労して作ったキュウリです。」

って書いてあるのでは、

きっと、キュウリが曲がったり、大きさがバラバラであったとしても、価値の感じ方も変わってくるんじゃないでしょうか。

ひょっとすると、感じる味すら変わってくる可能性もありますよね。

このように、まったく同じ商品・サービスであったとしても、商品やサービスにまつわるストーリーを語ることで、

「値段が高くてもこっちが欲しい!」
「同じサービスでも、この人から受けたい!」
そんな風に感じてもらうことができる。

子どもたちとの体験から、そんなマーケティングの基本に気づくことができました。

今回、子どもたちからプレゼントされた脅迫状(父の日カード)は、僕の仕事机の上に飾り、目に入るたびに手に取り一緒に作った時のことを思い出し癒やされています。

あなたもぜひ、あなた自身のストーリーや、クライアントの商品・サービスにまつわるストーリーを語ってみてください。

それだけで、きっと相手が感じる価値や満足感が格段にアップするはずです。

 

P.S.

「ストーリーを語ると言っても一体、何を語ればいいのかわからない。」

もしそう感じているなら、この記事を参考にしてみてください。

この記事を読めば、人々から共感を得られるストーリーの書き方がわかります。

私のどん底ストーリー~セールスライターを目指すきっかけ

 

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