間違いだらけのコンサルごっこ

From:宮川徳生

先日、ウチのメンバーから
衝撃的な本を紹介された。

その本がコレ。

戦略ごっこ
—マーケティング以前の問題
著:芹沢蓮
https://amzn.to/3vk1nSI

なかなかに挑発的な
タイトルだったため
速攻でポチった。

何より
「戦略ごっこ」という
マーケターとしては無視できなワードに
ビンビンに反応してしまった。

この本のテーマは
「ごっこ」という名前が表している通り
マーケティングの常識だと思われていることは
果たして本当に常識なのか?

それを「エビデンス」を用いて
検証するというもの。

凄腕マーケターが
「なんちゃらメソッド」と提唱したり
権威のコンサルタントが提唱する
「なんちゃら理論」

どこの誰かわからない人が言う
「なんちゃらフレームワーク」などなど…

成功法則や原理原則のような
話はたくさんあるが
エビデンス的に本当なのかを
追求するという内容。

まさに、マーケターの痛いところをついてくる
エビデンスマーケティングとでも言おうか
無視できない一冊だった。

で、ポチった。

肝心の中身はというと
共感できる部分、共感できない部分と
もちろんあったわけだが…

読み終えて思ったのは
状況に応じて“正解”は変わるし
目指す場所によって“やるべきこと”も変わると言うこと。

どういうことか?

例えば、本書の中で
20:80の法則(パレートの法則)に
喧嘩を売る箇所がある。

ザックリどんな感じかというか

”20%のVIP客が80%の売上をもたらす”

コレに関して
本当なのかい?と
疑問を投げかけているのだ。

我々は
基本何でもパレートの法則に当てはめて
物事を考える傾向がある。

20%のトップ営業が
80%の売り上げを作ってるとか。

20%の強みが
80%の成果をもたらしてるとか。

確かにそれは間違いではない。

ただ、ビジネスにおいて
20%の上位顧客が80%の売り上げを作るというのは
全ての企業に当てはまらないのだ。

なぜか?

マーケティングを深く学んでいる人なら
聞いたことがあるかもしれないが…

・ダブルバジョティの法則
・リテンションダブルバジョティの法則

という言葉を学ぶことがある。

ダブルバジョティの法則とは

『購入頻度や継続率は、
 市場シェア率と相関関係がある』

という法則だ。

リテンションダブルバジョティの法則とは

市場占有率が高い商品サービスは、
顧客離れする確率が少なく
市場占有率が低い商品サービスは、
顧客離れする確率が高いという法則のこと。

要は同じことを言ってるわけだが
簡潔にういうとこの2つの法則が言ってることは

継続率を上げたいなら
リピート施策を頑張るんじゃなくて
市場シェアを上げろってことだ。

パレートの法則が絶対正義であるならば
継続率を上げたいなら
上位20%の顧客のロイヤリティを上げろ。

というのが正解になる。

しかし、ダブルバジョティの法則は
そうじゃないと言っている。

そして売り上げ規模がデカくなればなるほど
ダブルバジョティの法則の方が当てはまることが
圧倒的に増えてくる。

なぜ、こんな矛盾が生じてるのか?

絶対法則のパレートの法則が
嘘だったのか?

違う。

そういうわけではない。

大事なのは
状況や目的によって
当てはまる成功法則は
違ってくるということだ。

パレートの法則と
ダブルバジョティの法則を
我々コンサルに当てはめてみよう。

年収1000万くらいを目指す
コンサルタントにとっては
絶対にパレートの法則が正義になる。

なぜなら
年収1000万くらいを目指す場合は
高単価の契約をいかに取るかが全てだからだ。

ということは
顧客が10人いたとしたら
上位の2人で毎月35万で70万円。

残りの8人が
交互にスポットで依頼してきて
毎月10万円くらい。

これで月80万円
年1000万になる。

なので、年収1000万くらいの
個人事業のコンサルビジネスをするなら
いかに高単価の顧客を少数獲得するかになる。

が、しかし。

例えばウチのように
コンサルビジネスをしているが
数億から10億くらいの規模になってくると
高単価を少数でという法則は逆に毒になる。

数億以上目指す場合は
絶対にシェアをとりに行き
80%のライトユーザーが売上の大部分を占めるように
しないといけない。

つまり、これは
状況や目指す場所によって
当てはまる法則は全く違うのだ。

本書は
様々な法則に対して
エビデンスを用いジャッジをしているわけだが
納得できる部分と納得できない部分があるといった理由は
こうした理由からだ。

ただ、我々マーケターにとって大事なのは
全てにおいての成功法則などは存在しないということを
認めることだと本書を読んで改めて感じた。

売り手はついつい
自分の商品を売るために
それを正当化するために
法則を用いて正しさを証明しようとする。

このことを巷では
ポジショントークと呼ぶわけだが
マーケターはポジショントークに
踊らされてはいけない。

目の前の現実を見た時
何が正しくて何が間違ってるのか?

それを見極めるための
知見を知っておかなければいけない。

ただ1つの成功法則に踊らされてしまうと
うまくいくものもうまくいかなくなるということを
本書を読んで気づかせてもらった。

久しぶりに
面白いマーケティングの本だったので
年末年始読んでみてはどうだろうか?

賛否両論分かれると思うが
間違いなくあなたの世界を
広げてくれることは間違いない。

戦略ごっこ
—マーケティング以前の問題
著:芹沢蓮
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