2022/05/24

その「No.1調査」大丈夫?

From 古川馨

つい先日、プレスリリース大手のPR TIMESが
掲載基準の新しいルールを発表しました。
6月16日から適応されるのですが、
最上級表現が厳格化されます。

最上級表現というのは、、、

広告表現としてよくある
お客様満足度No.1
業界シェアNo.1

口コミNo.1
地域No.1
日本初
などなど

他よりもうちの商品優れてると
一目でわかるように表現できるアレです。

 

もともと最上級表現て、
根拠ないとダメじゃなかった?

と思った方もいるかもしれません。

ですが、調査結果などの
根拠を示すデータがあれば
広告表現として問題はありません。

ですが、、、
ある方法を用いて
この表現を取得していた場合
今後は使えなくなるかもしれません。

 

というのも、
今回問題になっているのは
「No.1」という表現に
客観的根拠があるのか?
ということです。

つまり、調査結果の信頼が
問われているんですね。

なぜかというと、
この「No.1」という表現
調査方法によっては容易に
取れてしまうものだからなんです。

 

あなたもネットで
「No.1調査」「No.1取得するなら」
といった広告を見かけたことは
ありませんか?

全てが怪しい、、、とは言いませんが
中には客観的な証拠もない調査方法で
「No.1」を取得するケースがあるんです。

 

例えば、
都合の良い結果が出るように
調査方法やサンプル数、
調査対象なんかを歪めて、
調整してリサーチをするといった手口です。

そのため、
その表現を信じて騙されてしまったり
日本広告審査機構(JARO)への苦情が殺到していたりと
業界としても放って置けない状況になっていきました。

 

これが今回のPRTIMESの掲載基準の
厳格化に繋がっています。

これまでPRTIMESは「No.1」と表現するためには
「調査期間」の明記のみを掲載基準としてきました
ですが、今回の変更により

・調査機関
・調査対象
・有効回答数
・調査方法

これら4つの項目が必須となりました。

 

これによって、
明らかに怪しい調査での「No.1」は
プレスリリースできないことになります。

今後、PRTIMESに限らず、
プレスリリース全体が厳格化に向かうでしょう。
最近の流れから、おそらく、広告業界も
この流れを踏襲していくんだろうと思います。

今回の厳格化で調査結果の有効期限が
1年→半年に変更されるようです。
そのうち、3ヶ月、1ヶ月と
さらに厳格化の方向に進むかもしれません。

 

もし、そうなったら調査に
お金をガンガンかけられる
大手でしか使えない表現になりそうですね。

「No.1」という表現はとても魅力的です。
他との違いがわかりやすいですし箔もつきます

消費者目線で見ても「No.1」とそれ以外では
受ける印象が全然違うし、注目度が変わります。

ですが、ここでちょっと考えて欲しいのです。
中身を伴わない「No.1」という称号に
果たして意味はあるのでしょうか?

 

かつて
・業界最速の通信速度
・SIM販売シェアNo.1
と広告を出してた
フリーテルという企業がありました。

しかし、合理的な根拠がないとされ
景表法違反で措置命令と8824万円の
課徴金納付命令が下されました。
その年の12月、経営破綻しています。

 

家庭教師派遣の「ワン・ツー・ワン」も

・家庭教師お客様・料金・第一志望校合格満足度3部門第1位
・2019年3月全国の子どもがいる20〜50代の男女から選ばれました

と広告を出していましたが、
単なるイメージ調査の結果で
全く根拠がないことが発覚。
景表法違反の措置命令が下されました。

結局、抜け道を使って得た称号なんて
何の意味もなかったわけです。

 

それどころか不当な表示で
消費者を騙していた事実は
デジタルタトゥーとして永遠に
残り続けています。

「No.1」の表示のおかげで
一時的な売上は上がるかもしれません
ですが、それは5年も10年も
その先もずっと続くものではないんです。

いずれメッキは剥がれ
そのツケを払わされる日がきます。
長期的に見れば安易な「No.1」取得が
あなたのビジネスにプラスになることはありません。

 

なので、もし営業電話で
「No.1取得できますよ」と言われても
飛びつくのは辞めて下さい。

ネットで「No.1取得できます」
という広告を見かけても
誘惑に負けないでください。

ハリボテでのNo.1ではなく
本当のNo. 1を目指して研鑽を続ける

結局は、それがあなたのビジネスを
成長させる近道ですよ

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