2017/10/11

アメリカの最新起業トレンドに学ぶ「セールスライター起業」の心得

From:桜井啓太
恵比寿のオフィスより、、、

「起業だ!」
「独立だ!」

このような掛け声とともに、働いている会社を辞めて自由な暮らしをしよう。そういう風潮ってあるじゃないですか。

私たちセールスライター業界でも、そういう理想を持っている人がいます。究極が「南の島で週4時間だけ働いて年収数千万」みたいな世界ですよね。

もちろんそういう世界はあるはずだけど、誰もが叶うって言われたら逆に怪しい…。こういう話を聞いたときの私の本音は、そんな感じのものでした。

私がそう思えたのは、自分自身が一度起業した経験があったからかもしれません。学習塾でしたが、朝6時から夜23時まで働いて、初年度は手取り20万くらいでした。リスクを抱えて起業した社長なのに…。

じゃあ世の中一般で言う「起業」って、普通はどんなものなのか?ということを考えていたら一冊の本に出会いました。それは中野剛志著、「真説・企業論 ビジネススクールが教えない経営学」というものです。

この本によると、起業やベンチャービジネス先進国であるアメリカの、驚くべき実態が書かれてたんです…

アメリカも日本も同じだよね

まず断っておくと、この本はアメリカの研究や実態をもとに書かれています。だから、日本でも必ず同じというわけでもありません。そして、どちらかというと技術寄りのベンチャービジネスについて書かれてもいます。

大した資本もいらず、スキル一本で起業できるセールスライターとは少し話が違うかもしれません。

とはいえ、私が注目したのは方法論や業界のことではありません。「マインド」です。この本には、アメリカでの研究から分かった「典型的な起業の実態」というものが書かれていて、それがとても興味深かったんです。

一言で言うと、「日本でも、セールスライターでも同じじゃん」ということです。

具体的に見てみましょうか。

最も一般的な起業する理由「他人の下で働きたくない」

いきなり不都合な真実が来ましたね…。これ、めっちゃ当たっていませんか?(笑)っていうか私がそうです。もともと学習塾を起業したのも、それまで勤めていた塾を退職したのがきっかけですが、それは「当時の社長と大げんかしたから」というのが原因です。大学時代の就職活動でも、よく「サラリーマンにはなりたくないけどなあ」なんて考えていました。

普通、どんな小さな会社であっても、就職してしまうと「上司」からは逃げられません。いわば人の言うことを聞いて生きていく人生。雇い主には逆らえない人生…。

そんなのは嫌だ!ということで、起業に走る人がいるのは日本も同じでしょう。

でも起業してみたら分かるんですけどね。「社長・事業主であっても、クライアントから雇われている事実に変わりはない」って…。

起業する人の特徴「仕事が続かない」「お金がない」「解雇された」

これ、アメリカではそうなんだそうです。けっこう衝撃の事実ですよね。

もちろん、大企業に長年勤め、貯蓄を確保し、本当に自分のやりたいことを実現するために起業する人もいるでしょう。でも確かに、私も含め(笑)、「背水の陣」で起業する人の方が多そうです。

私もお金ありませんでしたし、仕事も続かない方でした。1回目の起業と、セールスライター起業は、どちらも直前は「フリーの予備校講師」、いってしまえば非正規という働き方でした。ぶらぶらしてて気楽でしたが…。

でもきっと、起業しようと思う人はそういう「不安定さ」が嫌になったから、「一発当てたい」と思うんでしょうね。私の例で言うと、ここから「大企業に正社員で就職する」というのは絶望的でしたから。

あんまり自分の人生で悔いはないですが、1つあるとすれば「新卒時に内定していたヒューレット・パッカードに入っときゃ人生違ったかも」くらいはたまに考えます。

そして失礼な言い方になるかもしれませんが、セールスライターキャリア支援会などに入ってくる方には、あんまり大企業の方はいません。たまにいますが、「どうして今の地位じゃ満足できないのかな?」と不思議に思うほどです。あまり数は多くありません。

どちらかというと「今の地位や稼ぎに満足できない」という人が多いのが事実です。

うーん、これ当たってるかも。

典型的な起業家は、雇っているのは1人くらい、年収は1000万以下

原著では10万ドルになっていましたが、日本円ではわかりやすく1000万円くらいとしておきます。要は、数千万稼いでいる方が少数派なんです。

まあ当たり前ですよね。そもそも1000万円以上の収入がある人は全体で3.9%です(ソース)。「起業したから」というだけで、誰でもカンタンに1000万円を越えているようなら、もっとこの割合が増えていてもおかしくないですよね。

私はセールスライターとして年収1000万円を越えられる人を身近で2人知っています。そのうち1人はこのThe Sales Writer執筆者の宮川さんですが、彼ももう独立は辞めて楠瀬さんのつくる会社の社長になりますね。

典型的な起業家は、サラリーマンよりも長く働くが稼ぎはより少ない

これは私がマジで実感できる事実ですね…。以前学習塾で起業していたときは、まさにこの通りの内容でした。今だからこそバラしますが、正社員だった頃が年収450万、起業した後は順に、100万、240万、300万くらいです。

で、正社員自体は塾なので勤務時間が13時-22時の休憩1時間。起業してからは6時-23時です。っていうか起業してからの働きぶり、やばいですね。

つまり起業したからといって収入が増えたわけでもなければ、プライベートが充実したわけでもありません。どちらかというと非正規だった頃のほうが、単年では楽な暮らしでした。年収400万、勤務時間は週24時間(!)くらい。非正規と引き換えに塾業界は時給が高いのでこうなりました。

じゃあそんな現実にも関わらずなぜ起業する人が後をたたないのか。この本によれば「チャンスに対して過度に楽観的であるか、人の下で働くことが心底嫌だから」とされています。あたってる…。

起業後、平均寿命は5年以下である

これは、資本を投入して起業する技術系ベンチャーの話。だからセールスライター起業とは一番違いがありそうな部分です。とはいえ、まったく現実に則さないというわけでもありません。

セールスライターとして起業しようとしているのに、何年も状況が変わらないままという人もいます。または覚悟を決めて退職したけれども、貯金を食い尽くしたり収入が会社員時代を上回らないといった理由で、再度就職をする人もいます。そしてそのほとんどが「前職よりかなり低い給与水準」で会社員に戻っています。

ずっとセールスライターを続けているように見える人も、実は副業だからやっていられている、ということも多いです。要は、「会社を辞めて自由な生活」なんて達成されていないということです。

これじゃあ何のために起業したか、わかったもんじゃありません。しかし厳しいですが、これが現実みたいです。

この本による「起業する人の特徴まとめ」

これらを踏まえて、この本では以下のような人が「起業する典型例」だそうです。

「人の下で働きたくないので起業したのであって、急成長している会社を起こそうとしているのではなく、日々の生計を立てようとしている、40代の既婚白人男性」

白人、というところ以外は、日本人も同じじゃないでしょうか?

希望はないのか

以上、アメリカの最新統計情報を踏まえた、まさに「起業の最新トレンド」ともいえる実態をまとめてみました。これを読んだとき、私はとてもびっくりしました。AppleやFacebook、Microsoftなど…。ベンチャー起業先進国のように思えるアメリカでさえ、この惨状なのかと…。

もちろん、セールスライターには資本がいりません。そして、「売上を上げる」という、利益に直結するスキルです。だから、話は少し違うかもしれません。

しかし、だからこそあえて問いたい。「あなたは、ただ単に稼ぎたいから、セールスライターになるのですか?」と。単に稼ぎたいなら、どうやら起業じゃないほうがいいみたいです。ライティングスキルは鍛えつつ、それを使って大企業に自分を売り込むとか、スキルを買ってもらって雇われるという道のほうが稼げるでしょう。

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