おっさんに恋した話

From:宮川徳生

「2人きりで乗れるんです」

先日、あるおっさんから
甘〜〜〜〜い口説き文句を囁かれて
一気に恋に落ちてしまった。

このおっさんの口説き文句に
これまで全く興味のなかった相手なのに
一瞬で恋に落ちてしまったのだ。

これまで全くタイプではなく
気持ちが動くことが全くなかった相手に
夢中になってしまったのだ。

もう、おっさんにメロメロである。

きっと、目はハートの形を
しているんじゃないかというくらい
恋する乙女になってしまったのだ。

いきなり宮川は
何を言ってるんだ?

今日は宮川の
おっさんLOVEの話か?

と思ったかもしれないが
そうではない。

至って真面目な話で
あなたのビジネスに
とても関係がある話なのだ。

どういうことか説明すると…

僕は今
ひょんなことから
20〜30年前くらいの
国産スポーツカーが欲しいのだ。

GT-R
RX7
スープラ
フェアレディZ
シルビア

などなど…

きっと40代以上の男子諸君なら
一度は憧れたであろう車が欲しいのだ。

僕が欲しいのは
R34GT-Rという車で
この車にずっと狙いを定めていた。

ただ、スポーツカーは基本的に
二人乗りのため使い勝手は悪い。

荷物も積めないし
人も積めない。

それに、維持費も
アホみたいにかかる。

燃費なんてリッター3kmとか
ザラだからね。

今のエコカーから考えたら
考えられない金食い虫でもある。

ただ、欲しいものは欲しい。

34GTRが
とにかく欲しかったのだ。

だが、つい先日
冒頭で登場したあるおっさんの一言で
欲しい車が一瞬で変わってしまったのだ。

どういうことか?

そのおっさんは
RX7というマツダのスポーツカーを
紹介してくれた。

ただ、RX7は
本当に二人乗りで
後部座席がない。

なので、絶対に
2人以上は乗れない車でもある。

だから、僕は
後部座席がないスポーツカーは
対象に入ってなかった。

なぜなら

2人”しか”乗れないからだ。

家族がいたりしたら
2人しか乗れない車を買うのは
なかなか現実的ではない。

だから、僕も対象には
全く入ってなかった。

RX7の外観はすごい好きだし
マツダは僕が一番好きなメーカーでもある。

(マツダが好きな理由は
 日本メーカーで初めてルマンを制覇したからであり
 その制覇をロータリーエンジンで成し遂げたからである
 そのストーリーでファンになったのだ)

でも、おっさんは
2人”しか”乗れないという欠点を
たった一言で長所に変えてしまった。

その言葉が

2人”しか”乗れないんじゃないですよ。
2人”きり”で乗れるんですよ。

自分の好きな人と
2人きりになれる。

2人きりの空間で
2人だけの時間を共有できる。

誰にも2人きりの時間を
邪魔されない。

このおっさんは
2人しか乗れない車の欠点を
たった一言で強みに変えてしまったのだ。

僕の中で
2人しか乗れないスポーツカーの見方が
一瞬で変わった。

そして、購入候補の対象に
一気に入ってきたのだ。

この話は
我々にとても大事なことを教えてくれる。

短所というのは
普通隠したいものであり
弱みになったりする。

例えば、ある国の保険会社で
業界No2の会社があった。

業界No2なので
No1には逆立ちしても勝てない。

契約者数も売上も
勝てないのだ。

No2というのは
No1から見たら弱みである。

だが、この会社も
No2という弱みを強みに変えた。

No2だから
No1になるために
どこよりも手厚い顧客サポートをしています。と。

非常に納得感がある。

No1になるために
No2だからこそNo2を認めて
強みに変えてしまう。

他にも
黒ずんだ腐りかけに見えるバナナを売る
八百屋がいる。

普通なら
黒ずんだバナナなんて
誰も買わない。

だがこの八百屋は
黒ずんでるという弱みを
強みに変えて黒ずんだバナナを大量に売ってきた。

黒ずんだバナナは
バナナとして食べるのには確かに適さない。

だが、黒ずんでるということは
バナナの糖度は最高に高くなっている。

だから、この八百屋は
バナナジュースに最適なバナナとして
黒ずんだバナナを売っているのだ。

2人”しか”乗れない車。
業界No2。
黒ずんだバナナ。

普通に考えたら
これらは弱みである。

だが、弱みというのは
裏返せば強みにすることができるのである。

吸引力ならダイソン。

これだって
裏を返せば吸引力以外は
対してすごくないですと言ってるのと同義である。

だが、吸引力以外は
他に遅れをとるという弱みを
だからこそ吸引力はどこよりも優れてると
することができたのだ。

ビジネスをやる上で
マーケティングをやる上で
弱みというのはできれば隠したいし
気づかれないようにしたいものだ。

だが、弱みには
他が言えない圧倒的な強みやUSPの源泉が
いつだって隠れているものである。

「このRX7は確かに2人しか乗れない車です。
 今流行りのアルファードのように室内スペースが広く
 荷物も人もゆったりと乗れてくつろげる車ではありません。

 それに、燃費もリッター3kmと
 エコカーと比べたら10倍以上悪いです。

 ですが、この車は
 あなたの一番大事な人と
 2人きりの時間を過ごせる
 他の車では決して手に入らない
 かけがえのない時間を手に入れることができる車なのです」

どうだろうか?

普通に考えたら
弱みでしかない部分が
一気にその商品を魅力的にかえる
強みになったと思わないだろうか?

あなたの弱みはなんだろうか?

弱みは隠す必要はない。
弱みを恥じる必要はない。

なぜなら
その弱みがあるからこそ
言える強みがあるのだから。