マツダ車が好きと言うとみんなが笑った…でも…

From:宮川徳生

少し前のメールで
僕はマツダ車のファンであることを
少しだけ書いた。

そのあと、話したお客さんの何人かからは
「僕もマツダ車好きなんですよ~」とか
声をかけてもらいはしたが…

基本、僕の周りの人間に
マツダ車が好きと言うと大抵バカにされる。

まぁ、普通に考えたら
そうかもしれない。

車と言えば
トヨタ・日産・ホンダが
圧倒的な存在だし

実際、売れてる車は
その3車の車ばっかりだ。

2023年のデータだと
今国内で売れてる車は(軽を除くと)

1位:ヤリス(トヨタ)
2位:カローラ(トヨタ)
3位:シエンタ(トヨタ)

と上位3位をトヨタが独占。

4位:ノート(日産)
5位:ルーミー(トヨタ)
6位:アクア(トヨタ)
7位:ヴォクシー(トヨタ)
8位:ノア(トヨタ)
9位:フリード(ホンダ)
10位:アルファード(トヨタ)

と、上位8つがトヨタで
日産とホンダが1つずつ席を獲得している状況。

マツダ車は
CX-60が21位でやっと登場する始末。

しかも、おそらく
このメルマガを読んでいる人で
CX-60がどんな車かわからない人が
大多数を占めるだろう。

実際、マツダの売上高も
業界トップのトヨタの10分の1程度しかない。

マツダという会社名は知っていても
ほとんどの人がどんな車を作ってる会社か
知らないというのが実情だ。

だからなのか
僕がマツダ好きということを言うと
「え?マツダって笑」と苦笑されることが多い。

だが、なぜ
そんなマイナーメーカーのマツダを
僕が好きになったのか?

その理由は
マツダのストーリーだ。

ちょっと長くなるが
話に付き合ってほしい。

マツダはもともと
1920年代に広島の地で
コルクメーカーとしてスタートした会社。

そこから紆余曲折あり
自動車製造に舵を切るわけだが
1945年8月6日に原爆投下という
人類未曾有の攻撃を受けることになる。

原爆が落とされた街にあったマツダは
広島復興のために被災地で三輪自動車を作るという
挑戦をし続けた。

戦後復興を被災地で行うという
ストーリーだけでも他の自動車会社とは違う
何かを感じるわけだが…

僕がマツダに惚れたのは
世界3大レースの1つ「ルマン」への
挑戦ストーリーだ。

マツダは当時
全ての自動車会社が
「使えない」と捨てたローターリーエンジンの
実用化にこだわっていた。

マツダ以外のカーメーカーは
世界中どこを探しても
レシプロエンジン(ピストン型)しか使っておらず
唯一マツダだけがロータリーエンジンにこだわっていた。

実用化はできないと
誰からも言われ続けたが
1967年についに実用化に成功し

コスモスポーツという
車を発表するまでになった。

世界中のエンジニアが
「実用不可能」と決めつけた技術を
とうとう実現した瞬間だった。

その後、マツダは
ロータリーエンジンでの挑戦を強めるため
ルマンへの挑戦を世界でただ一社
「ロータリーエンジン」で挑戦していくことになる。

その後、結果が出ず何度も挫折を繰り返す中
1987年に日本車として初の7位入賞という快挙を成し遂げる。

この快挙は日本中のデパートに
横断幕が掲げられるほどだったという。

「次こそは…」

マツダの技術者たちは
17年にも及ぶ挑戦の果てに手に入れた
7位入賞という結果に確かな手応えを感じていたそうだ。

だが、しかし…

マツダの技術者全員を絶望の淵に叩き落とす
ある事件が発生してしまう。

その事件とは
ルマン参戦条件となるレギュレーションの変更だ。

つまり、
ロータリーエンジン搭載の車は
レース自体に出れなくなってしまうことが
決まってしまったのだ。

そしてロータリーエンジンで出場できる
最後の年は1991年がリミットとなってしまった。

1991年…

正真正銘
マツダの挑戦最後の年となる。

もう次のチャンスは二度とないのだ。

しかし、7位入賞は果たしたものの
当時のルマンはポルシェ・ジャガー・メルセデスの
圧倒的な3強時代でもあり

ルマンで日本車が勝つことや
ましてやロータリーエンジンで勝つことは
世界中の誰もが「ありえない事」と思っていた。

事実、1987年にマツダが7位に入賞しただけで
後はからっきし。

だが、マツダの
技術者は諦めなかった。

大排気量の海外車に勝つため
たった1年で3ローターを4ローターへと進化させた。

24時間走れるように
車のあらゆるパーツの耐久性向上を
1つ1つ成し遂げていった。

今ではメジャーな
カーボンブレーキという新たな技術も積極的に取り入れた。

そして、遂に一台の車が完成する。

それが、カーレースファンの中で
「天使の咆哮」といまだに愛され続けてる名車
787Bだ。

マツダは満をじして
4ローターエンジンを搭載した787Bで
ルマン最後の挑戦を始める。

だが、戦いは熾烈を極めた。

当時、圧倒的な王者だった
メルセデスが開始20時間ほど経過した段階で
圧倒的トップに君臨。

残り数時間で
メルセデスを抜くことは
普通に考えたら無理だった。

それを追いかける787Bは
4週以上も遅れる位置で
「誰しもが今年もダメか」と考えた。

だが、マツダの監督は諦めなかった。

燃料のリスクを犯すことになるが
メルセデスにある戦いを仕掛ける。

その仕掛けとは
ラップタイムを上げていったのだ。

当然、メルセデスサイドも
差が縮まってることに気づく。

そして、メルセデスサイドも
差を縮められないように
ラップタイムを上げたのだが…

耐久性に問題を抱えていたメルセデスは
ラップタイムを上げることで車に無理が生じ
ピットイン後レースに戻れなくなってしまったのだ。

それから少しして…

遂に、787Bが
首位に躍りでた。

そして、レース開始から24時間後
最初のチェッカーフラッグを受けたのは
787Bだったのだ。

ルマンの舞台となるサルトサーキットは
一周約4分のコース。

そのコースを実に362周。
走行距離にしてなんと4922.810km。

ルマンの長い歴史の中で
日本車として初の総合優秀。

それだけなく
誰もが「実用化不可能」とゴミのように扱った
ロータリーエンジン搭載車として初の総合優勝でもあったのだ。

そして何より
ロータリーエンジンで出場できる
最後の年で優勝という栄冠を勝ち取る
ドラマのような出来事がこの時起きたのだ。

マツダの21年にわたる
ルマンへのロータリーエンジンでの挑戦が
最後の最後の年に遂に実ったのだ。

かなり長くなってしまったが…

このルマンのストーリーを知った時
僕はロータリーエンジンに惚れた。

そして、実用化不可能と言われた技術を諦めずに
ロータリーエンジンを一般車として実用化しただけでなく
世界一過酷と言われる24時間耐久レースのルマンで
総合優勝するほどのエンジンへと作り上げた
マツダの精神のファンになってしまったのだ。

(このストーリーを詳しく知りたい方は
 YouTubeで『ルマンへ熱き涙を』を検索し
 当時作られたドラマを見てほしい)

それ以降
ずっとマツダのファンである。

だいぶ長くなったが
もう少しだけ話に付き合ってくれ。

今日この話をあなたにしたのは
人がものを買う2つの理由について
知って欲しかったからだ。

1つは、その商品の機能面やベネフィットを買うケース。

そしてもう1つは
その商品のアイデンティティを買うケース。

この2つがあるのだ。

例えば紙タバコの世界では
マルボロというタバコが空前の大ヒットとなった。

マルボロは
美味しいタバコであることをアピるのではなく
マルボロマンという1人の男のストーリーを売った。

昔はタバコを吸ってる男がかっこいいみたいな
時代だったから当然みんなマルボロマンのように
タバコの似合うかっこいい男になりたく
みんなマルボロを吸い始めた。

ノートのモレスキンもそうだ。

一冊二千円近くするノートなんて
普通は買わない。

なぜなら、機能やベネフィットだけ考えたら
百円で売ってるノートと変わらないからだ。

だが、多くのビジネスマンや著名人は
モレスキンを選ぶ。

なぜか?

それはモレスキンにまつわる
ゴッホやベンジャミンのストーリーに惚れてしまうからだ。

そう。

人は決して
昨日の優劣やベネフィットの大小
ましてや価格の高低だけが
買う理由ではないのだ。

むしろ、本当に売れ続ける商品というのは
そうした部分ではなくアイデンティティを買われているのだ。

なぜ、アイデンティティが売れるのか?

アイデンティティを語ることで
根強いファンがたくさん増えるからに他らならない。

僕がマツダのファンになったのは
まさにマツダのストーリー、そして
マツダのアイデンティティに惚れたからだ。

そうしたファンは
一生その会社の商品を愛し続ける。

どんなに優れた競合が出てきても
浮気することは決してない。

なぜなら
それがファンだからだ。

あなたは
あなたの商品売る時
ストーリーを語ってるか?

アイデンティティを語ってるか?

我々は
ついついものを売る時
機能やベネフィットにフォーカスしがちだ。

だが、本当に
一生顧客でい続けてくれるファンを増やしたいなら
どんなストーリーが語れるかを考えなくてはいけない。

マツダが戦後復興のストーリーを語るように
ルマンへの挑戦を語るように

誰かの心を釘付けにして愛される
ストーリーはないかを探さなくてはいけない。

一生買い続けてくれる
絶対に浮気しない顧客こそ
あなたの最も重要な資産だということを
覚えておいてほしい。

そのために今あなたがやるべきことは…

今日のメルマガで示されてるはずだ。