もうSALEは辞めます

From 古川馨

新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、新春とえば、SALEに福袋。
多くの企業がこの新春のおめでたい時期は
一種のイベントごととして
SALEを開催しますよね。

やっぱり、こういうイベントは
普段よりも売れやすいときなので
活用しない手はありませんよね。

ですが、あえて逆張り、、、というか
SALEをしないってところもあります。

「もうSALEは辞めようと思う」

これはもう数年前の話。
僕がまだ会社員だったときのこと。

ある時、メガネ業界での僕の大先輩が
それまで毎年やっていた新春のSALEを辞める
と言い出したことがありました。

彼は20歳近く上の大先輩で、
個人でお店を運営していました。

当時、世の中でメガネ業界は
価格競争が苛烈に行われていて
多くの企業が競合よりいかに安くするか
相手の価格の下を潜って集客するかに
躍起になっていました。

その先輩の店も当然、近隣の競合との
価格競争に巻き込まれる形で
安売りを始めていました。

しかし、バンバン広告を出したり
大きな割引セールを頻発する
大手企業相手に資金力で
勝てるはずもなく、、、
ただただ利益を削られるばかり。

さらに競合にお客さんを取られまいと
自店もSALEを頻発することで
「どうせ安くなるんでしょ」と
お客さんがSALEをを待つようになり、
SALE以外では全然売れない状況に
陥ってしまいました。

こうなると、もうジリ貧です。

お客さんを集めるためには
思い切ったSALEをするしかない。
でも、それを続けると利益がでない。

そして、悩んだ末に出した結論が
「SALEを辞める」ということでした。

「価格でウチを選んでもらっても
他に安いところができたら
また他に行ってしまう。

だったら、価格以外で選んでもらうしか
ウチが生き残る方法はない」

そう決断して、今後一切SALEは行わない
と宣言したのです。

「ウチはSALEをしないので、
買ったものが後で安くなってガッカリ、、、
なんてことはありませんよ。
だから、安心して今日買ってください」

それが、彼の新しい接客スタイルになりました。

SALEをしなくなったら
新規客が取れなくなって
潰れてしまうんでは、、、。

当時の僕はかなり心配しました。
周りからも結構止められたようです。

でも、彼は譲りませんでした。

「1〜2年は厳しいかもしれないけど
生き残るためには、これがベストだ」

その結果は2年後にでました。
周りの同業者が廃業に追い込まれるなか、
経営はびくともせず。
むしろ、以前よりも経営は安定しているといいます。

SALEを辞めた当初、確かに
新規客数は激減したそうです。
それまでSALEを目当てで
やってきていた人たちが
軒並み来なくなった。

でも、それまで長年通っていた
リピーターには変化が全くなかったそうです。

それどことかむしろ、
「落ち着いて買い物ができるようになった」
という常連さんも。

そして、SALEでの混雑がないため
一人一人に時間をかけて
じっくりと接客できるため
以前よりも客単価がアップ。

お店の評判やクチコミで新規やってきた人も
低価格目当てで来るわけではないので
以前よりも売上が上がる結果になったそうです。

確かに割引やSALEはインパクトがあるので
大きな売上につなげやすいという点では
魅力的な武器になります。

ですが、それは諸刃の剣。

SALEを連発することで
正規料金で買ってくれなくなる、、、
という事態を引き起こすこともあります。

そして、競合との価格競争は
資本力がある方が勝つのは当たり前。
なので、価格以外で勝てるところがないと
長期的に見るとキツくなるのは当然ですよね。

この先輩のお店の例は、
もともとのリピーターがしっかりついていた。
技術力に伴うクチコミや評判が良かった。
ということも成功の要因です。

なので、SALEを辞めれば上手くいくという
単純な話ではないのですが。

安い価格にしか反応しない人ではない
正規の価格でもちゃんと買ってくれる人を
ターゲットにする。
そして、いかに単価を上げていくか。

これが中小企業や小規模なビジネスをやっていく上で
重要なことだなと改めて感じます。

結局は「誰」に売るか。
ターゲットを間違わないってことですね。

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