個人で求人案件を請け負うセールスライターに取材してみた

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The Sales Writerでセールスライターとして求人の仕事を行うことについての情報を発信させていただくようになって、ふと疑問に思ったことがあります。それは、

独立起業して個人で仕事をしているセールスライターでも求人の仕事を行うことができるのか?

ということです。オンラインで求人を行うには、インタビュー、サイト制作、ネット広告運用など膨大な作業があります。幸い私はチームで取り組めていますが、果たしてこれは個人でもできるのか?…と気になりました。

そこで今回は、関西にて個人で求人案件を受けているセールスライターの風間さんに、ワタクシ黒岩がインタビューを行い、実態を調査してみました。

セールスライターとして起業を考えている方で

  • 独立起業したセールスライターの実態を知りたい
  • 受けられる仕事の幅を広げたい
  • 関西のセールスライター事情に興味がある

といった方はぜひご覧ください!

中小企業も求人の中心はオンラインへ!高まる求人サイト需要

黒岩:風間さんはセールスライターとしてどのようなお仕事をされているのですか?

風間さん:まずはセールスライターとは別に、求人ポータルサイトの営業の業務委託で、サイトの枠を売ったり、そこに掲載する記事を書く仕事をしています。その延長で求人サイト制作もしています。求人案件以外にも集客面でWebサイト周りでお手伝いさせていただいている案件もあります。

黒岩:幅広くやっているのですね。そもそも風間さんは、なぜセールスライターを目指されたのでしょうか?

風間さん:もともと営業の仕事をしていたのですが、テレアポがすごく嫌いでした。初対面で話すのが苦手で…そういう営業が辛くて、やりたくなかったのもありますし、「トップ営業マン」みたいにはなりたくなかったんです。そして今から1年半くらい前に、ダイレクト出版経由で楠瀬さんのことを知ってセールスライティングを知りました。

最初の頃は、セールスレターは印刷された営業マンで、1発当てればすごい収入になる!といった期待感がありました。今はそんなんことはないのですが笑。

黒岩:なるほど、苦手な営業をせずに集客をしたいといった思いから始められたのですね。では、これから個人で起業したセールスライターとして求人案件を受けることについて、詳しく聞いていきたいと思います。まず、クライアント獲得から納品までの一連の流れを教えてもらっても良いですか?

風間さん:僕の場合求人ポータルサイトを販売しているので、クライアントはそこから獲得してます。

黒岩:クライアント企業の規模感はどれくらいなんでしょうか?

風間さん:年商数千万~数十億円の幅広く中小企業という感じです。求人ポータルサイトの大元からクライアント候補はおろしてもらって営業をするスタイルで、サイトの枠を売ります。そこから契約の決まった方に取材をして、サイトに載せる記事用の原稿を書きます。セールスライティングを学ぶ前は現行のライティングを外注していたのですが、学んでからは自分で書くようになりました。

黒岩:企業をどんな風に紹介するかはセールスライターの腕の見せ所ですよね。

風間さん:あとは、求人ポータルサイト掲載の営業で知り合ったクライアントさんから「求人サイトの方も新しくしたいんだけど…」といった要請があり、そこから新しい仕事に繋がったケースもあります。実はその時はサイトの作り方とか知らなかったのですが、引き受けてしまいました笑。

黒岩:すごいですね笑。まさに、スキルを追いつかせるといった感じですね。そういったサイト作成のお仕事はどれくらいあるのですか?

風間さん:今の所作成したのは1件です。それに加えて昨年末に新しく1件オファーをいただきましたね。もう一件あったのですが、別の制作会社さんに流れてしまいました…。まぁそんなにたくさん仕事は受けられないんですけどね。

黒岩:自社で求人サイトを持っている会社さんは多いのですか?

風間さん:自社サイトに採用情報のページがある所が多いですね。そこへ求人ポータルサイトから繋いできたり、検索での流入を狙ったり、とにかく導線をたくさん確保したいといった感じでしょうか。特に新卒採用はインターネットでやるといった流れがあるので、どの企業も求人のネット環境を整えていく必要性を感じているように思えます。

黒岩:そうなんですね。応募する側はネットを使うのが当たり前になってきていると思いますが、企業としても求人はネットに意識が向いているんですね。

風間さん:パート・アルバイトさんなら情報誌等もありますが、正社員だとネットがメインですね。

求人案件はこんなところで苦労する

黒岩:そうすると自社の採用サイトに関する仕事の需要は大きそうですね。ちなみにサイト制作を請け負うと、どんな作業をするのですか?

風間さん:僕の場合は、実際に会社の中に入って、従業員にインタビューをして、それをまとめてコンテンツ化し、通常の募集要項も書いて…といった感じで全てやりました。

黒岩:すごいですね!何か苦労した点はありますか?

風間さん:サイト制作自体というより、クライアントとの意識のズレを修正するのが大変でしたね。例えば、募集する職種の勤務形態が実はターゲットユーザーにとって働きづらいものだった時に、ユーザーのことを考えると事前にそのことを正直に開示すべきだと思ったのですが、クライアントからすると「それだと応募数が減るのではないか?」といった不安から、開示したくないようでした。

黒岩:確かに、仮に不都合なことでもユーザーのことを考えると伝えておきたいですよね。でもクライアントさんが不安に思う気持ちもわかるような…それでどうされたんですか?

風間さん:競合他社さんをリサーチしてみると、同じ職種でもターゲットユーザーにとって働きやすくなるように勤務形態自体を工夫・改善している事例があったんです。それを提案して「新しい受け入れ態勢を作っていきましょう!」という方向性で、そもそもの勤務形態を変えるように動きました。

黒岩:なるほど!ただサイトを作るだけでなく、その中で見えてきた課題に対して改善のアドバイスまで行ったのですね。ライターというよりコンサルのような関わりですね。

風間さん:ただ、自分一人でやることに限界を感じることもあります。

黒岩:それはどんな場面でそう思ったのですか?

風間さん:例えば、クライアントから「Facebook広告をやりたい!」と言われたので実際やってみたのですが、ネット広告って準備が大変なんです。技術面でもそうですし、作業量も多いので。結局僕は一人でやっているので手が回らないんです。自分でも「これは無理だな…」と気づきました。

黒岩:確かに最初はネット広告って難しいですよね。ツールの操作、管理画面の見方、コードの入力とか広告配信以前にやること多いですし、配信後もテストを繰り返す必要がありますし…ちなみに無理とわかってからはどうされたのですか?

風間さん:これは楠瀬さんからいただいたアドバイスなのですが、オフラインでの施策を提案することにしました。、会社のニュースレターを作成して地元に置かせてもらうといった施策です。他にも企業の合同説明会でチラシを作って配るといったことをしました。

ただ、クライアントは「ネットで求人をやりたい!」といった思いが強かったので、なかなか提案が通りませんでした。最近やっとわかってきてくれた感じですね。

黒岩:求人でオフライン施策はやりたくないんですかね?

風間さん:そうですね。「求人=ネット」という考えは強いですね。オフライン施策で言うと、内定者辞退を防ぐために内定者にニュースレターを月1で送るという施策を提案したのですが、これも期限つきでなんとか受け入れてもらった感じです。

黒岩:それは面白い施策ですね!ただ求人の場合、特に新卒採用などは集客と違って成果が見えるのがだいぶ先なので、効果を実感してもらうのが難しいかもしれませんね。

風間さん:その会社の去年のデータでは内定者の7割くらいが辞退していたので、新規を増やすより内定者辞退を減らす方が優先順位は高いかなと思ってます。どこかでクライアントに効果を感じてもらう機会を作っていかないとダメですね。とりあえず期限内に効果を感じてもらうよう頑張ります。

ほとんど機能していなかったサイトを改善して採用者を獲得、その秘訣とは?

黒岩:確かに新卒採用の求人の場合、集めるだけじゃなくて入社まで繋ぎ止めることも重要ですよね。ちなみに今まで風間さんが関わった案件で具体的な成果はありましたか?

風間さん:求人サイトの作り変えを手がけた案件ですが、それまではサイト経由での問い合わせはほぼなかったのですが、リニューアルしたサイトを公開して1ヶ月ほどで5名の方の採用が決まりました。

黒岩:5名の「採用」ですか!?すごいですね。問い合わせや応募はもっとあったんでしょうね。

風間さん:そうですね。具体的数字が今出せないのですが…その後もサイト経由で月に平均5件は問い合わせがありましたね。

黒岩:広告をかけずにそれだけの応募があるのですね。

風間さん:大元の会社のサイトから流れてきたようです。もともとアクセスはあったみたいなのですが、問い合わせは発生していませんでした。

黒岩:まさにサイトの改善の効果ですね。風間さんがそのサイトをリニューアルする際に意識したことは何ですか?

風間さん:旧サイトでは「人」があまり登場せず、最低限の募集要項があるくらいでした。だからサイトを新しくする際は、しっかりと取材をして、人物・キャラクターを前面に押し出すことを意識しました。

黒岩:確かに、労働条件だけだとどうしても大手に勝てない面がありますもんね。その提案をしたときのクライアントさんの反応はどんな感じでしたか?

風間さん:コンセプトには賛同してもらえました。ただ、各部署の管理職の方に、現場スタッフの仕事の時間を削って取材をさせてもらう交渉で難色を示されました。現場からすると「そこまでする必要あるのか?」といった感じでしょうね。

セールスライティングが求人案件で活きる場面

黒岩:なるほど、各従業員に理解をいただくことも必要なのですね。ちなみに風間さんが求人案件を受ける中でセールスライティングを学んで良かったと思える場面はありますか?

風間さん:そうですね…リサーチですかね。

黒岩:リサーチですか!?ライティングのスキルではなく?

風間さん:正直セールスレターを書くわけではないですが、リサーチをして「求職者はどんなことに悩み、不安を感じていて、何を望んでいるのか?」といったことを考えるのに多くの時間を費やしました。実際に合同説明会でのやり取りを見て、そこから質問の背景を考えたりもしました。求職者が本当に欲しい情報は何かを知らないと結局意味はないなと思います。

今まではフワッと書いていた部分も、求職者が知りたいことは全て詳しく開示することで、お互い納得の採用ができると考えています。

黒岩:なるほど、他に工夫された点はありますか?

風間さん:従業員さんへのインタビューの時間が短かったので、事前にアンケートを記入してもらい、それをベースに質問し、できるだけ核となる情報を取れるよう準備しました。あまり事前に準備する方ではないのですが、インタビューで得られる情報の重要性を知っていたので、事前準備をしっかり行いました。

黒岩:インタビューも準備が大切ですよね。逆にセールスライティングを知らなかったらどうなっていたと思いますか?

風間さん:セールスライティングというより、楠瀬さんから「成果を売るな」ということを教わったのは大きかったです。もし楠瀬さんと出会っていなかったら、営業の時に「HP作れば問い合わせいっぱい来ますよ!」といった出来もしない約束で契約して、成果を出さないと契約を切られるプレッシャーの中で苦しみながら仕事をすることになっていたと思います。

また、長期的に見てクライアントさんのためになることなら不都合なことでも提案していくという姿勢も身についたと思います。以前なら「サイトを作ったらそれで終わり」という感じだったと思いますが、今はサイトも含めて「どうすればこの会社の求人がうまくいくか?」といったことに焦点を当てるようになりました。

後は手数が増えましたね。以前ならクライアントからFacebook広告をやりたいと言われたらとりあえず言われた通りやるしかないでしたが、セールスライティングを知ってからは、オフラインなどの別の施策を提案できるようになれたのは大きな変化ですね。

黒岩:広くマーケティングの視点を持てたという感じですかね?

風間さん:そうですね。僕も当初はネットだけでやっていくつもりでしたが、サイト編集や広告運用を一人で行うのは、やっぱり難しいです。黒岩さんもネット広告を運用してるからわかるかもしれませんが、とても何社もできるものではないと感じました…

実は楠瀬さんからオフライン施策のアドバイスをもらった時は、自分の中で落とし切れていなかったのですが、今ではすごくわかります!自分の労力の限界も考慮して、その上でベストな施策を選ぶ必要があるんですよね。

いただいた仕事はとにかく全力で挑戦!

黒岩:それは大切な視点ですね。今更ですが、そもそも風間さんはセールスライターになって、何で求人案件を受けたのですか?

風間さん:セールスライターになったからには営業をしたくなかったので笑、知り合いから仕事をもらうようにしていました。中には集客の相談もあったのですが、求人ポータルサイトの販売の関係で知り合った方からは求人の相談も受けていました。

黒岩:その求人の相談があった時は「集客じゃないのに自分にできるのかな?」といった不安はありませんでしたか?

風間さん:その時はどちらかと言うと「仕事がきた!」という感じで喜んで受けましたね笑。ライティング案件という意味では共通してましたし。できるかどうかは、そのあとで考えました笑。

黒岩:すごい行動力ですね!その思い切りの良さが大切なのかもしれませんね。

風間さん:ただ、サイト作れないのにサイト制作の案件受けてしまったので、そこからすごく大変でしたね。何とかスキルを追いつかせようとしました…

黒岩:ある意味一番効率的な勉強法ですよね笑。そんな面も含めて求人案件で苦労されたのはどんな点ですか?

風間さん:僕自身「ネットで求人をやることがいかに大変なことか」に気づいていない時は苦労しました。オフライン施策も含めて実施するのが現実的なことに気づいてからは楽になりました。ただクライアントはとにかくネットで求人をやりたがっていたので、そこの擦り合わせが大変でしたね。

黒岩:ネットで求人をやるのが大変な理由は競合の多さや規模感ですかね?

風間さん:そうですね。実際は思っている以上にお金がかかるので、クライアントの期待に対して予算が足りなかったりします。かといって大金を用意されても、そんな規模感の仕事を受けるのは今の僕個人では無理ですし…

セールスライターとして仕事の魅力を発信したい

黒岩:現実的に成果を出せる施策を提案して理解してもらうのが大切なんですね。苦労されている点も多いと思いますが、逆にやりがいを感じるのはどんな時ですか?

風間さん:実際に応募があったり、クライアントさんが成果物に満足してもらえると嬉しいですね。後は従業員さんにインタビューしている中で、すごく仕事に前向きに取り組んでいる人に出会うと「この人の声は絶対に伝えたい!」といった想いが湧いてきます。あまり知られていない仕事の魅力を伝えることができるのも求人案件のやりがいですね。

黒岩:そうですね、仕事の魅力が伝わるのは嬉しいですよね。今後の目標はありますか?

風間さん:先ほども述べた、内定者辞退防止用のニュースレターの結果はしっかりと測定して、うまくいったらどんどん展開したいですね。やったことがない取り組みなので、どうなるのか楽しみです。

黒岩:個人でやるならネットではなくオフラインが良いですか?笑

風間さん:はい、ネットではなくオフラインが良いと思います笑

黒岩:なるほど、今後の展開が楽しみですね。同じ関西在住で求人案件やっておられるセールスライターとして応援しています。本日はたくさんお話しいただいてありがとうございました。

風間さん:ありがとうございました。

セールスライターの求人案件、個人でやる?チームでやる?

今回風間さんにインタビューして、個人で求人案件を受けているセールスライターの実態を知ることができました。

そもそも「どうやって求人案件でクライアントを獲得するのだろう?」と思っていたのですが、求人ポータルサイトの営業を行なっていることが大きな要因のようです。このように、自分の強み+セールスライターで独自のポジションを作ると仕事も取りやすいのかもしれません。

話を聞いていると、求人でも集客と同じで、セールスライティングのスキルよりも、しっかりとリサーチを行うこと、最適な施策を繰り返しテストしていくことが大切であることが感じ取れました。また、頼まれた仕事に対して、、できるかどうかわからなくても全力で挑戦するといった姿勢が仕事に繋がり、結果クライアントさんから頼られる存在になっているのだろうと思います。

一方で個人で求人案件のオンライン施策を行うことには限界もあるようです。サイトの作成にネット広告でのアクセス集め等の作業量を一人で行うのは難しいとのことでした。それでも、代わりにオフライン施策を提案できるところがセールスライターの強みでしょう。ただ、オンラインで展開していきたいクライアントさんとの意識の擦り合わせは大変そうでした。この辺りは、いかに信用してもらえるか、といったところが大きいのかなと思います。

個人的には内定者辞退防止のニュースレター施策がどうなるのか?がすごく気になりますので、今後も追いかけてみたいと思います!

いかがでしたでしょうか?この記事を通して、セールスライターの一つのキャリアとして求人の仕事があることをイメージしてもらえると嬉しいです。

風間さんのように個人でやることもできますし、私のようにチームで行うこともできます。ただ、いずれにせよ自分一人で考えられることには限界があります。いくら準備していても現場に入って出てくる問題は山積みです。そんな時に具体的なアドバイスをもらえる環境がこちらです。