2017/03/01

リサーチ!リサーチ!リサーチ!

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良いコピーを書くためには、リサーチがとても重要です。優れたスワイプをたくさん持っていても、ライティングのテクニックをいくら身につけても、コピーに落とし込む”題材”がショボかったら何の意味もありません。

それに、クライアントのお客さんの本当の感情をわかっていなければ、コピーを生かすための、セールスプロセスを設計したり、ビジネスモデルに落とし込んだり・・・そうしたコピー以上に大事な事も的外れになってしまいます。つまり、セールスライターにとってリサーチは”生命線”とも言える必須のスキルなのです。

ですが、リサーチって面倒くさいですよね?偉そうな事を言っていますが、私も本音を言えばリサーチは面倒くさいです。

でも、面倒くさいからといって、やらない自分を正当化する、体の良い理由をつけて楽をするのか。それとも、考えられるすべての事を、ただひたすらにリサーチするのか。ここが一流セールスライターと2流以下のセールスライターを分ける、最大のポイントだと思っています。

事実、私が参加している「セールスライターキャリア支援会」のメンバーの中に、楠瀬さんをもってして「私が知っている限り5本の指に入る」と言わしめた、スーパーセールスライターの方がいます。楠瀬さんがその方に「リサーチってどのくらいしますか?」と質問したところ

「新しいプロモーションに入る時は4,5日寝れないですね」と答えていました。

これを聞いた時私は、自分がそこまでやっていないことに気づきました。というよりも、忙しさにかまけて、少しでも効率よく仕事ができるように、リサーチで一番やってはいけない

当たりをつけてリサーチをする”

知らず知らずのうちに、こうなってしまっていたことに気づいたのです。情けない話ですが、少し成果が出たからといって「できる気になっている自分」がいることに気付けました。ですので、反省の意味も込めて、クライアントのリサーチを1から全てやり直すことにしました。

それから約1か月・・・クライアント(工務店)のお客さんで許可がもらえた41人の方へ実施したインタビューが今日(2月28日)やっと終わりました。41人全員のインタビューを全て録音し、それを文字起こしして、客観的に本当の感情を見つけていく。正直、しんどかったです。「もう十分だろ」と何度も思いました。

でも・・・途中で投げ出さずに最後までやりきったことで、とても大きな収穫がありました。当たりをつけてリサーチをした事で見つけた事と、お客さんの本当の感情にかなりの違いがあることがわかったのです。これは本当に大きな収穫です。

そこで今回は、リサーチを1からやり直したことでわかった、お客さんの本当の感情の違いや、それをコピーに反映していくことで、今までとは違った成果が出始めているので、その辺りにについてまとめてみました。もしあなたが、意識的であれ、無意識であれ、考えられる全てをリサーチすることをしていなければ、それはクライアントに全力を尽くせていないことになります。なぜか?それをこの記事から感じ取ってください。

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コピーを入れることで年商が1年で倍に

本題に入る前に。少しだけクライアントの商品価格の説明をしますね。

クライアントの工務店は大きく分けて4つの価格帯の家を扱っています。具体的には、

  • 1500万円前後
  • 1700万円前後
  • 1900万円前後
  • 2000万円〜

ざっくり言うとこんな感じなんですね。で、利益率のいい商品は2000万円〜の家なのですが、一番売れるのは1500万円前後のプランの家なわけです。また、1500万円の広告で集客したお客さんの2割〜3割くらいは、面談を重ねていくことで、上のプランに切り替える方もいるので、リード獲得の広告は9割がた、1500万円のプランの広告なのです。

で、本題はここからなのですが、私がこの工務店さんと関わり始めたのが、ちょうど去年の3月から。その時は年間新築受注棟数が5棟前後で、リフォームとか下請け大工の仕事の方がメインになっていました。約1年色々やって、昨年は新築販売が11棟まで伸び、これだけ見れば倍になりました。が、私の感覚だと、DRMやコピーを入れたことによって、今までマイナスだったものがようやくゼロに戻せた。こんな認識でいます。

なので、私自身も今年が勝負だと考えていたわけです。クライアントとも「今年は20棟を目標にしよう」と、ひとまず目指すゴールを設定しました。そのため、チラシとイベントでリード獲得していた中に、別の新たな集客動線を作る必要があると感じ、今年からFacebook広告を始めることにしたんです。もちろん、Facebook広告も1500万円の家で集客するためのものです。

うまくいったと思ったFacebook広告、でも・・・

Facebook広告は下手くそながらも、結構いい数字が出ました。具体的には顧客獲得コストがこれまで3万円〜10万円程度かかっていたのが、2万円程度で6件の資料請求につながったんですね。まぁ、ありえないくらい反応があったんです。でも、ここに落とし穴がありました。それは

資料送付後、初回面談に繋がらない

この原因はすぐにわかりました。というのも、これまでの動線は

  • チラシ→電話→資料送付→初回面談
  • イベント→会場でデモンストレーション→資料手渡し→初回面談

この2つがリード獲得の動線だったのに対して、Facebook広告は

  • facebook広告→資料請求

と、そもそも動線が全く違ったわけです。つまり、今まで使っていた資料では、Facebook広告で興味を持ったお客さんの「欲しい」という感情を高めたりすることができないことがわかったんです。なので、早速資料の作り直しに取り掛かったわけですが、ここで大きな問題が発生しました。それが、

資料のどこに原因があるのかわからない

という問題でした。というのも、資料自体もリサーチした結果から、どう言った順番で感情を高めていくのかを考えて作っていたので、どこに原因があるのか全くわからなかったんですね。そもそも、チラシもリサーチの結果で作って、それなりの集客ができていましたし、イベント会場のトークスクリプトやアンケートなどにもリサーチ結果を反映させて、そこそこうまくいっていたので、「一体何がいけないんだ?」とかなり悩みました。

で、ちょうどそんなタイミングで、冒頭でお話ししたスーパーセールスライターの方のリサーチに関する気づきがあったので、リサーチ自体を1からやり直すことにしたんです。

1ヶ月間で41人のお客さんへインタビュー

実際に、1からリサーチをすると決めて、具体的にどんなリサーチをしていったかというと、これまでクライアントの工務店で家を建てたお客さんへのインタビューです。なぜインタビューをしまくったかというと、理由は簡単。これをやっていなかったからです。早速インタビューに取り掛かろうと思いましたが、まずはインタビューに協力してくれるお客さんを見つけなければなりません。そこで私がしたことはというと・・・

  • 過去10年間で家を建てたお客さんの連絡先をリスト化
  • 1件1件電話をして、インタビューのお願いをする
  • インタビューのお願いの電話をしたことに対する、お詫びと感謝の手紙をすぐに送る

この3つにすぐ取り掛かりました。結果、全部で41人のお客さんに協力をしてもらえることになりました。でもこれは、自分のトークが良かったとかそう言った話ではなく、クライアントがずっと、OB向けのイベントを定期的にやってくれていたためです。そう言った関係性があったので、たくさんの方に協力してもらうことができたんですね。

ですが、ここからが本当に大変でした。なぜなら、資料請求後の反応がないわけですから、いち早く資料を改善する必要があるため、少しでも早くインタビューを終わらせなければならなかったからです。でも、41人・・・途方もない人数に感じました。ネットでお客さんの声を拾ってくるのとはわけが違います。ですが、そんな事は言ってられません。やると決めた以上やるしかありません。

41人すべての家族のスケジュールを確認し調整を繰り返す。お客さんにも本当に無理を聞いてもらいながら、なんとか2月中にインタビューが終わるスケジュールを組む事が出来ました。そして、怒涛のインタビューがついに始まったのです。

インタビューをしまくった結果・・・

インタビューが始まり、本当に色々な価値観や感情を知ることができました。意外な発見といえば、家のテイストによって「欲しい」と思う感情に偏りがあったことです。これは本当に大きな発見でした。これまで私は、感情の偏りは「年収」での偏りしか見ていなかったからです。この発見で、広告の切り口をさらに増やすことができますし、「どんな家が好みか」がわかれば、それをサービス提供プロセスに落とし込むことも容易になります。

こんな事は、リサーチをやり直していなければ絶対に気づくことはできなかったでしょう。

そんなこんなで、意外な発見はたくさんありましたが、でもやっぱり、インタビューを続ける中で1番感じたのは、当初のリサーチ結果と同じ感情がたくさんあったことでした。つまり、当初のリサーチも、あながち的外れではなかったということです。でもそれとは別に、その感情は本当の感情を隠すために作られた表面的な感情だったということもわかってきました。

お客さんの本当の感情は「恥・見栄・羞恥心」だった

先ほどもお伝えしましたが、クライアントの一番の集客商品は価格の低いプランの家です。誤解を恐れずに、あえて分かりやすく言うと、このプランは、建売住宅か注文住宅かで迷う平均的な収入の層の方がターゲットということです。つまり、予算的にギリギリの層の方ということです。

ですので、当初のリサーチ結果から作ったヘッドラインは

「予算的に注文住宅は無理かな」と、建売住宅で我慢しようとしているあなたへ

つまり、予算的に注文住宅を諦めようとしている人へ「我慢しなくてもいいんだよ」という希望と励ましを与えるようなコピーで作っていました。確かに、この感情は間違っていません。これはリサーチをやり直したことでもわかったことでした。でも、その感情を生み出している本当の感情がもう1つあったのです。それが

「恥・見栄・羞恥心」

という感情でした。どういうことかというと、これもあえて誤解を恐れずに言いますが、

  • 建売住宅に注文住宅を建てた友達を呼ぶのが恥ずかしい
  • 友達の家よりもおしゃれでかわいい家を建てたい
  • 友達を呼んでも恥ずかしくない家を建てたい
  • 自慢できる家が建てたい
  • 自分の収入が低いことを認めたくない

こうした、恥や見栄、羞恥心といった感情が心の奥底に強烈にあったんです。でも、こうした感情は誰にも知られたくない感情ですよね。それに、こんな事を思っている自分自身を認めたくないといった感情もあったはずです。

つまり、恥・見栄・羞恥心といった本当の感情を隠すために「お金」という最もらしい理由をつけていただけだったことがわかったんです。しかも、よく見られたいと感じている箇所が、内装よりも外装だということもわかりました。

ここは盲点でした。なぜなら、そもそも予算がギリギリの場合、現実的なプランを作る時は外装の予算を削る場合がほとんどだったからです。なので、資料にも外装や玄関などの家の見た目を決定づける部分は、大きく扱っていなかったのです。

でも、これから家を建てようとしている方は、そこの部分に感情が動いていたんです。

リサーチ結果まとめ

今回のリサーチでわかった事を大きくまとめると以下の2つになります。

  • 人によく見られたいという本当の感情があった
  • その感情は外装に対して強い傾向にある
  • これから家を建てる方は外装に惹かれ、いざプランを作る時に内装に比重を置くようになる

先ほどもお伝えしていますが、クライアントの低価格プランのターゲットは、普通の収入層の方です。そして、この層の方は予算がギリギリの場合がほとんどです。つまり、これらの事実とリサーチ結果を踏まえて、導き出したことは

人によく見られたいという感情に訴求できるよう、外装や玄関ドアのことを前面に出していく

という仮説を立てました。なぜなら、今までは、電話やイベントで一度デモンストレーションができているわけです。つまり、どんな見た目の家を建てられるか(予算内で)を伝えることができていたんですね。

それとは逆に、Facebook広告の場合、資料だけなので、外観や玄関ドアのことなど、ほとんど触れていなかったわけです。(HPでも一切触れていませんでした)

そして、これを実際のコピーに落とし込んでいくわけですが、ここで1つ気をつけたことがあります。それは、「煽りコピー」にならないようにすることです。どういうことかというと、例えば

友達を呼んでも恥ずかしくない家を建てたいあなたへ

みたいな、気持ち悪いコピーです。これは今適当に作ったので、このコピーの良し悪しは別として、個人的にこうした気持ち悪いコピーは使いたくないです。確かに、短期的な反応は取れそうですが、煽りコピーで集客してしまうと、長期的には明らかにマイナスになってしまいます。

特に、工務店のような高額商品を販売している場合、人の触れられたくない感情を煽って売るような広告を出し続けたらどうなるかは明らかです。なので私は、煽らずにこの感情に訴えかけられるように、プランの見せ方を工夫するようにしました。

具体的には、玄関のコピーでは

「行ってきます」「ただいま」と家族の声が行き交う場所。「こんにちは」「また来てね」と友人たちを見送り、そして出迎える場所。そんな風景が繰り広げられる玄関は、まさに家の顔ともいえる場所ですよね。〇〇工務店では、あなたの家の顔になる玄関イメージにピッタリな玄関をご提供するべく、12タイプ8カラー、全96通りの玄関からお選びいただくことができます。あなたにピッタリの玄関を見つけてくださいね!

外壁のコピーでは

間取りや内装にお金がかかってしまい、外観にこだわることができない・・・せっかく注文住宅を建てるのですから、外観もこだわりたいですよね?ベーシックな印象やナチュラルな印象など、外観が違うだけでお家の印象はガラッと変わります。〇〇工務店では、玄関ドア同様、約210種類の外壁から、あなたのイメージにピッタリ合う外壁をお選びいただくことができます。建売住宅のような見た目が苦手な方でも、こだわりの外観を実現することができますよ!

この程度に抑えて、あとは大量の写真で見せるようにしました。決して、煽りではなく、写真を多用することで事実を事実として魅力的に見せることで、「恥・見栄・羞恥心」といった感情に訴求していくようにしました。

まとめ

今回は、リサーチについてまとめてみましたが、いかがでしたか?恥ずかし話ですが、こんなにリサーチに時間を費やしたのは初めての経験でした。でも、その分得られるものはとても大きかったですし、当たり前のことを当たり前にやることの大切さを、身をもって実感しました。

確かに、今回私が取ったリサーチの仕方は決して効率のいいやり方ではないかもしれません。もしかしたら41人もインタビューをする必要もなかったかもしれません。ですが、その時考えられる全てを調べつくすのがリサーチの唯一のルールな訳ですから、今の自分が思いついた「インタビューできるお客さん全員にインタビューをする」という事は間違っていなかったと思います。

忙しいを理由に、効率を追い求めてはいけないんだと改めて心に刻み込みました。私自身もそうですし、クライアントもそうですが、少しずつ成果が出てきて、無意識の意識でどこか「驕り」のようなものが出てきていたんだと思います。

リサーチは面倒くさいです。でも、その面倒くさい先にしか、お客さんの本当の感情は見えてこないのも事実です。当たり前のことを当たり前にやる。どんな世界でも一流と呼ばれる人は、こうした事を積み重ねることができる人なんだなと、つくづく実感しました。

私もその世界に行きたいです。そのために、効率を求めず、ただ全力を尽くすことに立ち返りたいと思います。

 

追伸

とはいえ、リサーチの結果導き出したアイディアがどうなのかは、やっぱり不安ですよね?そんな時は、ここで楠瀬さんにその不安をぶつけることができますよ!

コメント

  1. 小林健児 より:

    「その時考えられる全てを調べつくすのがリサーチの唯一のルール」2月のセミナーに参加したときに楠瀬さんがそのようなことをお話されてましたが、こうやって宮川さんの実際にやったリサーチの模様を全部公開してくださって、いかに大変なのか、そしていかに大事なのかがよくわかりました。

    自分も一流になれるように、面倒くさいことを当たり前にやれるようにマインドセットします。

    1. 宮川 徳生 より:

      そうでうね。私たちセールスライターは”書く”ことにどうしてもフォーカスしてしまいがちですが、実は、”書く”前に勝負は決まっていると私は思っています。「どう書くか」よりも「何を書くか」の方がコピーでは遥かに重要なわけですから、その”何”に当てはまるものを導き出すのがリサーチですからね。面倒くさいと思ってしまうのは、ある意味仕方のないことですが、その感情に打ち勝って面倒くさいことでも愚直にやれるように私たちはならなければいけませんね。

  2. 大谷英輝 より:

    今回も現場でしか得ることができない貴重なお話をして頂き本当にありがとうございます。

    2月のセミナーでの「9割捨てる覚悟でリサーチしろ」という楠瀬さんのお言葉の具体的な形を拝見させて頂いたように思いました。

    「リサーチ!リサーチ!リサーチ!」。

    へこたれそうになった時はこの言葉を呪文のように唱えて自分を奮い立たせていこうと思っています。

    1. 宮川 徳生 より:

      リサーチをしていてふと気づくのは、効率を求めてやったリサーチは、たいていの場合、自分にとって都合のいい答えを探しているだけに過ぎないということです。先入観を全て捨てて、客観的な事実や感情を調べていくのがリサーチですから、”効率を求めようとしてしまう”自分の感情は本当にやっかいな存在です。そしてもう一つ。一見面倒くさいことの方が、何だかんだ一番の近道だったりします。リサーチもその一つですよね。

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