2017/03/07

妻に「会社を辞めてセールスライターになる」と言ってみた結果…

セールスライターとして独立起業を目指している方の大半が、いま別の会社で仕事をしながらライティングの勉強や実践に励んでいるかと思います。
そして、良いクライアントに恵まれ、安定的な収入を得られる目途が立ったときには、当然会社を辞めるという選択肢も浮かび上がってくることでしょう。

さて、そういった状況になったときの最後の関門になるのが、家族です。
人によっては、家族が障壁にならない方もいるでしょう…。
ただ、私にとってはどんな社長よりも手ごわい障壁になりそうです。

いざ会社を辞めようとしたとき、
自分がどんな葛藤を抱えることになるのか?
家族がどんな葛藤を抱えることになるのか?

この記事は、現在進行形で私がぶちあたっている、セールスライターとして独立起業を志している人にとって避けては通れない大きなカベに関する実録レポートです…

私が退職に踏み切ろうと思ったキッカケ

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ザックリ言うと、現在のクライアントに月額30万円のパートナーオファーを提案し、「ぜひお願いしたい」との言葉を頂いたからです。
これまでになかった責任感を感じ、「覚悟してかからなければ」と背筋が伸びる思いでした。
ほとんどの中小企業が、「財務的に余裕がある」なんてことはありえないわけです。
「成果にフォーカスしない形態での契約」「人間性や仕事への姿勢に対してお金をいただくパートナーとしての契約形態」を勝ち取ったとはいえ、頂く報酬よりもはるかに大きな価値をクライアントに提供しなければ、という想いが強く強く湧き上がってきました。

とりあえず1、2年は追加報酬を受け取らず、このクライアントのためにできるあらゆる施策をスピード感を持って実施していく、と決意しました。
私的には既に起業の準備はOK
あとは家族に分かってもらうだけです。

まず妻に話してみた・・・

正直、どんな社長と話すよりも緊張しました。
社長さんなら「売上や収益性」という判断基準が明確であるため、どのように話せばよいかもなんとなくイメージがつきます。
これまでたくさん失敗もしてきているので、積み上げてきた失敗が、話す際のプレゼンの構成を自動的に精度の高いものにしてくれます。

一方、妻は「人生のパートナー」であるため、判断基準がほぼわかりません。
話し合いが失敗続きだったら夫婦関係の危機を迎えるので(笑)、なるべくこういった話し合いは避けてきてしまいました・・・。
もちろん、セールスライターとして活動しているのは妻も知っています。
「もし、月額30万のパートナー契約がもらえたら会社辞めていい?」とソフトタッチで機嫌を窺いながらそれとなく聞いたこともあります。
答えを待ってたら・・・「えっ、即答できるわけないよね」と言われて、「そうだよね」と引き下がったのが約1ヶ月前・・・。

ついに月額30万の契約がもらえてしまいました・・・。話さなければ・・・。

神妙に「前に話してた月30の契約がもらえたんだけど…会社辞めていい?」と切り出しました。
妻「いつ辞めるの?」
自分「年度末」(この時点で年度末まで1ヶ月ちょいの時期)
妻「えっ急じゃない?」
自分「うん、つい昨日契約が決まったから・・・」
妻「ん~…もし私が反対したとして、意見は変わるの?」
自分「いや、・・・それは、変わらないね」
妻「…じゃあ、私に聞く意味ないよね・・・」
自分「まぁ、そうかもね」
・・・1回目の話し合いはこれで終了してしまいました・・・。

えぇ~~~~!?これでいいのか?
なんとなく良くないような・・・でもわかってくれたってことか?
いや・・・なんか良くない気がするけど・・・

同日、兄に相談したところ「良くねぇよ」と、たしなめられました。
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「独立起業するにあたって、一番支えになってくれるのは嫁さんやろ?うまくいかなかったとき、一番に迷惑をかけるのは嫁さんやろ?まず、嫁さんが考えてることは全部聞き出して、全てに説明を尽くさないとダメやろ。そして、嫁さんの家族。向こうの家族にも理解しておいてもらわないと。起業するにあたって、応援してくれる味方が身内に多くないと、いざってときに踏ん張り効かんぞ?」

グゥの音も出ないほどの正論・・・

兄の言葉を聞いて思いなおし、「今考えてることを全て聞かせて欲しい」と正直に話しました。
すると、いやぁ~出てくる出てくる疑問点・不安な点
いきなり退職の意思をぶつけられても、やっぱり何を言っていいのか分からなかったんでしょうね。
時間を置くことで、いろいろな疑問な点や不安な点が湧き出てきたようです。

すべて会話形式で示すと長くなってしまうので、ここで妻からぶつけられた疑問点、不安な点を書き出してみます。
もしあなたが、会社を辞めてセールスライターになると決めたとき、どう答えるのか?
一度考えると、良いイメトレになるはずです。
実際私にとっては、急所を突いた痛い質問ばかりで、一つ一つに答えるのに時間がかかりました。

  • もし身体を壊したらどうするの?
  • もしメンタルを壊したらどうするの?
  • 病気になったらどうするの?
  • 仕事が将来なくなることはない?
  • ずっと続く仕事なの?
  • 子どもが出来たら、どうする?自宅で仕事してたら保育所に預けられる?
  • 家を買いたいと話してたけど、どうするつもりだったの?
  • もし、仕事がうまくいかなかったらどうするの?
  • うまくいかなかったとき、家族に金銭的なリスクが降りかかってくることはある?
  • 仕事がなくなったらどうするの?ライターはずっと続けていくの?
  • クライアントとの約束を果たせなかったとき、失われるものは何?家族にまで降りかかってくることはない?
  • 働く時間や休みはどうなるの?
  • 応援したい気持ちが半分。不安で仕方がない気持ちが半分。想定外のことまで考えて、できる限りリスクをなくしたい。あなたもできる限り降りかかってきそうなリスクを考えて。

やりとりの裏に隠れた心理・感情は?

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正直、どれもすべて最初から説明しなければ答えられない質問ばかりで、とっても面倒に感じました。
が…疑問に思って当然、不安に思って当然の質問ばかりですね。

このとき、セールスライターとして相手の感情に寄り添っていると、原理原則通りの感情の動きを垣間見ることができました。

たとえば、
「人は100万円得られる機会と、100万円損失する機会では、損失する機会の方に2倍以上反応する」
これが形を変えて姿を現しました。
どんなに将来性や、キャリアを変えることによるメリットを説いても、リスクばかりに目がいってしまうのが家族の心情のようです。

そして、すべての疑問点に答えても、「もう少し時間を置いて話がしたい。時間をかけたい」という結論に至りました。
これも「いくら事象や論理で説明を尽くしても、感情で受け入れてもらえなければ、行動に至らない」という、原理原則通りの感情の動きだと言えます。

とても良いクライアントに恵まれ、実践と学習を積み重ね、セールスライターとして活動できる契約が獲得できたとしても、私の「退職→独立・起業」のプロセスにはこのようにとっても強烈なストップがかかりました。

1年はかからないでしょうが、年度末までの退職はできないでしょう…。

当初、このようなやりとりの中で出てきた自分の感情を正直に書くと…
「ここまで寝る間も惜しんで、遊ぶ間も惜しんで頑張ってきたのを見てくれてるはずなのに、なぜ認めてくれないんだ!?」という憤りと、苛立ちと、承認してもらえない悲しみと、絶望感が湧き上がってきました。

が、よく考えれば自分にとっても、妻にとっても人生を左右する大きな決断です。
モメて当たり前。

起業できる「原因」を、家庭内にも積み重ねてこなかった自分の責任だな、と思い直しました。

「独立開業できる実力があることを示す証拠として、実際に継続契約を獲得してから家族に話すほうが良いはず」という理由で、家族に話すのを後回しにしてきた自分ですが、それは理論的な理由でしかなかったようです。

感情的な本音としては、必ず起こるであろう家族との衝突を先送りしていただけかもしれません。

あなたも同じ落とし穴にハマらないよう、気を付けてくださいね。

まだまだ、(副業として)社会への貯金を続けられるようです…
まだもっと大きいのをいただけるってことですかね?
「大いなるナニカ」さん、太っ腹っすね(笑)

上の呪文は、楠瀬さんから頂いた魔法のおまじないです。
本当に楽になりますね…(しみじみ…)

今回の体験から得た学び

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私が今回の体験から得た学びは以下のとおりです。

  • 「家族に話したらこんなことが起こるんだろうな」とぼんやりと思い描くネガティブな将来像は、必ずその通りに実現する。
  • このため、後回しにしていると、いざ独立開業できる契約を獲得できたとしても強烈なストップがかかる。
  • 家族に話すのは早いほど良い。
  • 一時的にストップがかかるとはいえ、応援してくれる味方をできるかぎり作って会社を辞める方が良い
  • 独立起業に必要なものは、身内の中にもある。クライアントとのやりとりだけにフォーカスしてはいけない。

いかがでしたか?
現在、副業で、家族がいるセールスライターだったら、必ず将来ぶつかるであろう壁に、今まさにぶち当たっている人間の実録レポートでした。
現実は小説よりも奇なり。これからどう転ぶのかはわかりません。

今回は妻の反応しか書けませんでしたが…
反響がよければ、続編をお届けしたいと思います。
あなたが私と同じ過ちを犯しませんように。

P.S. 「身内に認めてもらえない…」という状況は、強い悲しみと憤り、絶望感が湧き出てくる体験でした。
このときに、心強い助けになったのが、同じセールスライターを志す仲間からのメッセージでした。
あなたもコチラで、そんな心強いセールスライター仲間を見つけませんか? → コチラ

コメント

  1. fourth より:

    奥さんへのその誠実な姿勢は、きっと理解を得るに足る時間を積み重ねさせてくれるのではないかと思いました。もちろん、クライアントさんと家族とは違います。
    でもクライアントさんもご家族も、人間同士の営みであることに変わりはありません。
    ツールやスキルのみでなく、絶望感や悲しみを感じながらも真摯に奥さんと向き合う勇気や、素直さ・実直さが、今のクライアントさんとの継続契約を結ぶことに繋がったのでしょう。
    日高さんのマインドであれば、時間がかかってもきっと独立・起業を果たせると思います。

    自分の家族も満足に営めない人間が、ビジネスパートナーや顧客を満足させることなんてできないのかな
    なんて、そんな気付きを与えてくれる記事でした。

    応援しています、頑張ってください

  2. タッチャン より:

    自分の行動を変えてみませんか?
    朝起きて奥さんへの「おはようございます」の挨拶。満面のえみを浮かべて!
    奥さんにして頂く家事の一つ一つに大いなる感謝の言葉「ありがとうございます」の連発・・・

    どうしたの?
    何か変だな?
    何か嬉しい事でもあったのか・・・

    小さな習慣を少しずつ変えたら
    きっと奥さんの対応に変化が起きますよ。
    焦らず少しずつ繰り返してみてはいかがですか。
    ためしに、春のお花の花束でも送られたらいかがですか。
    照れながら、きっと喜びますよ。
    そこで、にこにこ笑って、いつもありがとうの感謝の言葉・・・
    これから、共に重い荷物を背負って坂道を歩く大切な、最良の奥さまですよ。
    自分のことを理解してくれると信じましょう。

    追伸:
    駆け出しのセールスライターの私(年寄)からのアドバイスです。

    1. 日高 より:

      タッチャン様
      コメントありがとうございます。今更の返信をお許しください。忙しさを言い訳に礼徳に反する対応をしてしまっていました。自分が恥ずかしいです。
      普段からの感謝の気持ち、言葉、大切ですよね。
      共に重い荷物を背負う最良のパートナー、という言葉に痺れました。これからも人間的にも精進していきます。

  3. Rumi Tanino より:

    私も副業セールスライターです。やっと一歩踏み出せたかな?くらいですが…。すでに成果を出している先輩セールスライターとして尊敬と憧れる存在です。
    行動力や時間の使い方、クライアントさんへの思い、「目の前の人に全力で貢献する」事を愚直にやってこられて凄いなといつも思っています。

    そんな日高さんを奥様はしっかりと見つめていて、きっと応援もしてくれていると思います。いちばん近くでその時を(起業)待っていてくれていると思います。

    家族には「笑顔」でいること
    「ありがとう」を伝えること
    何でも話すこと
    楽しい時間を共有すること

    私もなかなかできていないのですがやってみると家族の態度が明らかに変わります!喜んでくれます!

    クライアントさんも家族も同じ人間なんですよね。

    楠瀬さんも言っています。
    今、この瞬間に人生変える方法とは「目の前の人に全力で貢献する。自分を満たそうとしない。自分から満たそうとしない。」これをすると奥様と上手くいくようになります。って^_^

    応援しています。そして私に勇気をくれた日高さんの記事に感謝しています。

    ありがとう!!!

  4. 杉下 より:

    コンサル兼セールスライターの記事から飛んできました。
    いやー、かなり今の僕にとてもタイムリーな内容でした!笑

    僕には今彼女がいます。
    本業の話はよく聞いてくれるのですが、セールスライターの話になると「また始まった。」と言わんばかりの雑な相槌になり笑、絶対聞いてないだろ!って思う程つまらなさそうな表情。悲しくなります。笑
    正直、支えてくれないのかな?とも思ってしまっていました。

    原因はきっと僕にあるんだろうとは思っていましたが、
    答えとしては「成果を出せばいい。」
    こう考えていました。

    でも日高さんがまとめてられていた奥様の感情を見て、本当にそうだなと強く感じ、自分のことしか考えてなかったなーと反省しました。

    クライアントと今後どうしていくかをしっかりと話合いするように、
    支えてくれているパートナーとももっとコミュニケーションを取って行こうと思います。

    僕もただ論争になるのを避けていただけだなと気づけました。

    せっかくこんなにもやりがいのある仕事に巡り会えたので、
    少しずつでもシェアしていこうと思います!

    1. 日高由斐 より:

      杉下さん
      コメントありがとうございます。
      共感いただけて嬉しいです。この問題、悩みますよねぇ。

      今何が起こっているのかをちょっとずつパートナーにシェアするのは本当におすすめです。
      これも楠瀬さんの教えなんですけどね(笑)

      「今日、こんなことがあって、こんな風に感じたんだ」ということを奥さんに話し続けている社長がいて、その人は年間ずっと日本中を飛び回って家にいない時間も多いのに、奥さんに理解してもらい、応援してもらっているそうです。参考になりますよね。同様にふるまうことが改善のきっかけになりました。

      せっかく巡り会えたパートナーなんだから、一緒に成長していきたいですよね。

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